モンハンが北米で売れない理由
モンスターハンター3(トライ) クラシックコントローラPRO【シロ】パック 特典 モンスターヘッドフィギュア付き - Wii
- 出版社/メーカー: カプコン
- 発売日: 2009/08/01
- メディア: Video Game
- 購入: 7人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (79件) を見る
■日本で大人気のモンハンシリーズが海外では人気が無い?
モンスターハンター(以下モンハン)シリーズと言えば、PSPを代表する大ヒットシリーズだが、世界最大のゲーム市場である北米ではあまり売れていないことをご存知だろうか? 日本では大人気でも、北米の売上げはその10分の1といったところ。何故売れないのだろうか? 北米で売れるゲームの特徴なんかも交えつつ、お話したいと思う。
■面白くなるまでが長い
北米で売れるゲームの特徴の1つに、始めてすぐに面白い、というのがある。この始めてすぐに面白いというのには2種類あって、1つは、すぐに盛り上がるゲーム。ハリウッド映画のように、開始5分でクライマックスが! というような大胆な展開のゲームがとても喜ばれる。
また、逆に物語は全く進まないけれど、ゲームの世界にキャラクターがポツンと誕生し、さああなたは自由だ、何でもしていいよ、というタイプのゲームもある。全く逆の方向性だが、こちらもやはり、始めてすぐにプレイヤーが自分の思い思いの楽しみ方でプレイすることができる。
モンハンシリーズと言えば、このどちらでもないゲームで、まずはチュートリアルで丁寧に操作を覚え、簡単で小規模なクエストからこなし、と徐々にエンジンがかかるタイプのゲームだ。
■死に覚えと繰り返し
もう1つ、北米で売れるソフトの特徴に、プレイに変化があるゲームというものがある。例えば、敵キャラクターのAIが賢いゲーム。敵キャラクターのAIが賢いと、プレイヤーの操作に対して多様な行動を取り、毎回緊張感があり、新鮮なプレイ体験が保たれる。こういうゲームはとても評価が高い。
モンハンシリーズはその全く逆で、同じことの繰り返しをして、少しずつキャラクターを成長させたり、敵キャラクターの行動パターンを覚えることで攻略するゲームになっている。
■日本とアメリカのゲーム文化の違い
なにかこういう書き方をすると、まるでモンハンが面白くなるまでが長くて、繰り返しばっかりのゲームのように感じてしまうかもしれない。でも、実はそれらはいいことでもある。
北米のゲームはいきなりクライマックスだったり、自由にプレイできたりするかもしれないが、一方で日本のユーザーからすると展開についていけなかったり、何をしていいか分からなかったり、不親切に感じることもよくある。また、「繰り返しと死に覚え」は、逆に言えばアクションゲームがさほど得意じゃない人でも、時間をかけてコツコツキャラクターを強くして、敵のパターンを見極めれば、攻略していくことができる。
このように、地域によってゲームの細かい味付けで好みが分かれるということは、ゲームが文化であるということを意味している。つまり、ゲーム文化の違いが、人気ゲームの違いでもあるということだ。そう思うと、日本で大人気のモンハンが北米で人気が無いということは、実に興味深い事例にも思えてくる。