プレステ発明対価、ソニーに510万支払い命令

 家庭用ゲーム機「プレイステーション」に使われたデータ読み取り装置を発明したのに十分な対価を受け取っていないとして、元ソニー社員の久米英広さん(58)が同社に1億円を支払うよう求めた訴訟の控訴審判決が19日、知財高裁であった。

 塚原朋一裁判長は「会社は特許権を取得して権利を独占し、一定の利益を得た」と指摘。請求を棄却した1審・東京地裁判決を変更し、約510万円の支払いを命じた。

 原告側代理人によると、この装置は2004年以前の販売機種に使われていた。判決は、久米さんらの開発チームによる5件の発明が装置に利用されたと認定。会社がこれらの発明で得た利益を対象製品の売上高の3分の1とした上で、チームや久米さんの貢献度などを考慮して対価を算出した。