これからPSP goを買う人に――PSP goで遊べるゲームってどれくらいあるの?

 UMDを搭載せず、ソフトはすべてインターネットを通じてダウンロードして遊ぶことになるPSP go。ところでPSP goでダウンロードできるタイトルってどれくらいあるのかご存知ですか?


●150タイトルは多い? 少ない?

 去る11月1日に発売を迎えた、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCEJ)のPSP go。その最大の特徴と言えば、やはりUMDドライブを搭載せず、ソフトはインターネットを通してダウンロードして遊ぶ――という点でしょう。

 しかし言い換えればこれは、今まであったUMDソフトは遊べないということ。もちろんUMD版とダウンロード版の両方がリリースされているタイトルもありますが、中にはUMD版しか発売されておらず、PSP goではどうやっても遊べないタイトルというのも少なからず存在しています。ハード自体は非常に魅力的なのですが、このあたりが障壁となっていまだ購入に踏み切れないという人も多いのではないでしょうか。

 果たして現時点で、PSP goではどれくらいのゲームが遊べるのか? プレイステーション オフィシャルサイト内にある「PSP goで楽しめるオンライン配信タイトル」というページを参考にしつつ、ちょっと調べてみました。


●疑問1:どれくらいのタイトルが遊べるの?

 「PSP goで楽しめるオンライン配信タイトル」のページを見ると、11月16日時点でリストにあがっているのはちょうど500タイトル。こうして見ると結構なタイトル数ですが、ちょっと待った。実はここには「ゲームアーカイブス」や「配信専用」タイトルなども含まれているため、これらを除外して「UMDゲームソフトのダウンロード版」だけを抜き出すと、その数は全部で150タイトルということになります。

 同サイトにあるソフトカタログによると、11月16日時点で発売されているUMD版ゲームは全部で954タイトルですから、ダウンロード版が用意されているのは全体のおよそ16%。うーん、確かにこれは決して多いとは言えないかも……。例えば有名タイトルだと、カプコンの「モンスターハンターポータブル」シリーズはいずれもUMD版しか発売されていないため、PSP goでは(今のところ)遊べないということになります。

 ただSCEJによれば、「タイトルラインアップについてはUMDで発売済みのタイトルも含めて、今後も拡充を図っていきます」とのことなので、今は遊べないタイトルでも、今後ダウンロード版が提供される可能性は大いにあります。このあたりは今後のラインアップ充実に期待したいところですね。


●疑問2:新作タイトルはすぐにダウンロードできるの?

 これはちょっと難しい質問。11月1日に発売された「ペルソナ3 ポータブル」や「DISSIDIA FINAL FANTASY UNIVERSAL TUNING」はいずれも、UMD版とダウンロード版の両方が同時にリリースされていますが、必ずしもすべてのタイトルがダウンロード版を同時リリースしているわけではありません。中には「ソウルキャリバー Broken Destiny」のように、UMD版(2009年8月27日発売)とダウンロード版(2009年11月1日発売)とで発売日が異なるタイトルもあるので注意が必要です。

 では、このあたりの基準はどうなっているのでしょうか? SCEJに問い合わせてみたところ、返ってきたのは次のような回答。

「ダウンロード版の有無についてですが、少なくとも今後発売されるSCEJの新作タイトルについてはすべてUMD版とダウンロード版の併売を予定しています。また、サードパーティ様のタイトルの場合、併売するかどうかは各社の任意となっています」(SCEJ マーケティング部)

 なるほど。 SCEJについては早くから「UMD・ダウンロード版併売」というスタンスを取っていましたが、その他のメーカーについては基本的に「それぞれの判断に任せる」というのが実情のよう。どのタイミングでダウンロード版を提供するかについても、メーカーごとに対応が異なっており、「すぐにでも新作タイトルで遊びたい!」という人はちょっと注意した方がいいかもしれません。

 ただデータとして、今のところ11月1日、11月5日の2週間に発売された新作タイトルについてはすべてUMD版、ダウンロード版同時発売となっています。PSP goが発売された今後は、ダウンロード版も併売していくタイトルが増えていくことに期待したいところです。


●疑問3:旧作はどれくらい遊べるの?

 では旧作についてはどうでしょうか? 上で「ダウンロード版が用意されているのは全体のおよそ16%」と書きましたが、これも新作と同じく明確な基準はなく、ダウンロード版が提供されているかどうかはタイトル、メーカーごとにまちまち。ただ全体的な傾向として、UMDで廉価版(「PSP the Best」など)がリリースされているタイトルについては、ダウンロード版も用意されているケースが多いように感じられました。

 廉価版が発売されているということは、一定の評価があって、市場でもそれなりに売れ続けている良作と言えます。必ずしもすべての旧作が遊べるわけではありませんが、良作の多くがカバーされているという安心感はあるのではないでしょうか。ただ前述の「モンスターハンターポータブル」シリーズのように、廉価版が発売されていても、ダウンロード版が提供されていないタイトルもありますが……。


●疑問4:UMD版との価格の違いは?

 併売の有無や発売時期などと同じく、SCEJによればこれも「各社の任意」だそう。ただ一部例外もありますが、基本的にダウンロード版はUMD版に比べて2〜3割安い価格設定となっているものが多いようです。

 例えば新作の「ペルソナ3 ポータブル」の場合、UMD版が6279円であるのに対し、ダウンロード版は5040円と、UMD版に比べて1000円以上割安。また旧作の場合はもっと安く、こちらは800円〜2200円程度とさらにお求めやすい価格となっています。生産・流通部分のコストをカットしている分、通常よりも安くソフトを販売できるのはダウンロード版の強みと言えそうですね。

 ちなみにSCEJのタイトルの場合、4980円のタイトルはダウンロード版だと 3800円に、3980円のタイトルは2800円に、2800円のタイトルは2200円に――といった具合に、大まかな値段設定のガイドラインがあるそうです。3980円のタイトルの場合、ダウンロード版の方が3割近く安くなっており、かなりお得感がありますね。


 ――ということで、以上、「PSP goでダウンロードできるUMDゲームソフト」について簡単にまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?

 現時点で150タイトルというラインアップを多いと見るか少ないと見るかは、その人のプレイスタイルに大きく依存するのではと思います。新旧にこだわらず「面白いソフトをコンパクトに持ち歩ければOK」という人にとっては十分に魅力的に映るでしょうし、逆に「すぐにでも新作タイトルで遊びたい!」「全部のタイトルが遊べないとイヤ!」という人にとっては物足りなく感じられるのではないでしょうか。


 個人的には、PSP go発売時点で150タイトルをそろえてきた点については素直に評価すべきだと思いますが、残念ながらまだPlayStation Storeのラインアップが、既存のUMDと完全に取って代われるようなものでないのも事実でしょう。しかし、より軽くコンパクトになった本体をはじめ、 PSP goにはそれを補って余りある良さもあります。UMDの入れ替えを必要とせず、本体だけ持って行けば複数のゲームやコンテンツを持ち運べる点などは、従来のPSPにない魅力ですし、今後コミックや映画の配信もスタートすれば、ゲーム以外の楽しみ方もさらに広がっていくはずです。これからPSPPSP goを買おうと考えている人は、そのあたりを天秤にかけつつ、より自分のプレイスタイルに合ったハードを選ぶときっとシアワセになれるのではないでしょうか。

 ちなみに自分が遊びたいゲームがオンラインで配信されているかを調べたい時には、上記「PSP goで楽しめるオンライン配信タイトル」のページが便利です。


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