東京ゲームショウ直前! 新型「プレイステーション3」の魅力に再度迫る

ソニー・コンピュータエンタテインメントSCE)は2009年9月3日より 従来のPlaystaion3から1万円値下げしたしたスリムな新型「プレイステーション 3」(CECH-2000A)を2万9980円で発売開始した。


PS3用タイトルとして2009年12月17日に「FINAL FANTASY XIII」が発売されるなどゲーム機としてソフトウェアが充実してきただけでなく、Blu-rayプレーヤーなどAV機器としても評価の高いPS3。このハードウェアの魅力に再度迫ってみよう。


 さて、PS3とはいったい何ができるハードウエアだろうか。ベースとしてはPS3用ゲームを遊べるゲーム機なのだが、Blu-rayプレーヤーとしても人気が高く、インターネットなども利用できる。なかなか一言で表しにくい機器だが、機能をおおざっぱに分けると、以下の3種類にまとめられるだろう。


(1)Blu-rayビデオを中心としたAV機器

Blu-ray(ブルーレイ)のハイビジョン映画を再生できるDVDの映画もハイビジョンに迫る画質で再生できるDLNA対応機器の録画番組をPS3上で再生できるネットワーク経由で有料配信されている映画やアニメを楽しめる(2)PS3用ゲームを遊べるゲーム機

PS3専用ゲームソフトで遊べる(通信対戦にも対応)過去のPS向けゲームソフトなどをダウンロード購入して遊べる(購入したソフトは一部除き PSPでも楽しめる)PSP同士の近距離通信対戦をインターネット経由で遊べるようにできる(アドホック・パーティ)(3)インターネットマシン

インターネットブラウザを利用できる3D仮想空間コミュニティ「Home」を利用できるLife with PlayStationなどネットワークを利用した機能を楽しめる この記事ではハードウェアの特徴に触れたあと、Blu-ray機能を中心としたAV機能、インターネット機能について触れ、最後にゲーム環境について紹介する。ではまずPS3のハードウェア部分から見ていこう。


PS3のハードウエア仕様に迫る

 外観は旧モデルと比べると薄く平らな形状で、質感は高級AV機器とゲーム機の間ぐらいといったところだ。電源キーとイジェクトボタンは静電式でなく、押し込むタイプになった。それにより、うっかりボタンを押すといったミスをしづらくなっている。

 動作音は1m程度の距離でも気にならないレベル。Blu-rayドライブの風切り音もほとんど聞こえず、映画の再生やゲーム中にうるさく感じることはない。Xbox 360より格段に静かなのはもちろん、Wiiと比べても静かだ。ただ、背面からの排気の温度は50℃前後になることもあり、設置する際は背面をふさがないよう気をつけたい。

 PS3で動くBlu-rayやゲームはハイビジョン画質をウリとしているので、接続するモニターもハイビジョンテレビを選びたい。実際、PS3 用ゲームなどの場合、大画面のハイビジョンテレビにHDMIケーブルで接続した環境を前提としたものも多い。そのため、付属のコンポジットAVケーブルでアナログテレビなどに接続すると、画面表示がぼやけて見づらい場合が出てくる。

 もし、自分専用の低価格なモニターを用意してPS3を楽しみたいなら、PC向けのHDMI端子を搭載した低価格ハイビジョンモニターの購入をお勧めする。24インチクラスのものが2万円前後と値頃感があり、もちろんPCと接続しても便利だ。

ブラビアリンク対応でハイビジョンテレビとの連動が可能に

 薄型PS3の新機能に「ブラビアリンク」がある。これはHDMIケーブルで接続したPS3とハイビジョンテレビを連動させられる機能だ。具体的には下記のような操作が可能。

テレビの入力切替をPS3に変更すると、PS3の電源がつくPS3の電源を入れると、テレビの電源が入りPS3の画面を表示テレビの電源を切ると PS3の電源も切れるテレビのリモコンからPS3を操作できる なお、これらの機能は、概ねHDMIの仕様で標準化されているものであり、ソニー製ハイビジョンテレビ「BRAVIA」を対象とした専用の機能ではない。他社製テレビであっても、大体恩恵を受けられると考えて良い。筆者はAQUOS LC-32GX5と接続したが、上記の機能は全て動作した。ただ、プレーヤー操作時の△キーに相当する操作はブラビアのリモコンの方が快適に行えるなど、メーカーによって多少違いはあるかもしれない。とはいえ、通常の操作では問題にならない程度の細かい部分における違いだ。


PS3の処理性能でBlu-ray再生も快適!

 ではさっそく、PS3の各種機能を試していこう。まずはBlu-rayやDVDビデオの再生などAV関連機能だ。ハイビジョンテレビを買ったからにはBlu-rayの高画質映像を堪能したいところだろう。最近はレンタルビデオ店でもBlu-rayの取り扱いが増えており、Blu-ray作品もかなり身近になってきた。また、以前から定評のあるDVDの高画質アップスケーリング機能についても検証を行った。

 実際にBlu-rayビデオを再生したところ、一般的なBlu-rayプレーヤーやHDDレコーダーと比べ、メニュー操作や読み込みが素早く快適であった。この傾向はBD-JというJAVAを採用したリッチなメニューを採用したタイトルにおいて顕著だ。これは次世代ゲーム機ならではの処理能力の高さが有効に働いたためだろう。また、最近のBlu-rayビデオ増えてきているネットワーク接続やHDDなどの保存領域を求めるBD-Live仕様のタイトルにも対応する。

 ちなみに、Blu-rayビデオを試しに見てみるなら、バットマンシリーズの「ダークナイト」がお勧めだ。この作品は大型70mmフィルムの IMAXカメラで撮影されており、アクションシーンを中心とした16:9収録のシーンではより高繊細かつ豊かな色彩による、映像の立体感や艶めかしさに圧倒される。だが問題点も一つある。この映像を一度見てしまうと、より大画面のフルハイビジョンテレビやシネマプロジェクター、5.1オーディオが欲しくなってしまうのだ……。


DVDをキレイに再生!高画質アップスケーリングの実力は?

 次にDVDを見てみよう。アナログテレビからハイビジョンテレビに買い換えてからDVDを見ると、全体がぼやけた感じになり落胆した人は多いのではないだろうか。だが、PS3ではDVDの映像をハイビジョンテレビでも違和感なく楽しめる高画質アップスケーリング機能を搭載しているという。どの程度の実力を持っているのか、代表的な3つの機器をハイビジョンテレビに接続しテストを行ってみた。

 テスト内容だが、ハイビジョンサイズで撮影からDVDを作成し、画面の一部を撮影した。このDVDを単純にハイビジョンテレビへ映し出すと、単純拡大によりモザイクがかった映像となる。だが、PS3のアップスケーリングでは評判通り元のイメージを保ったままきれいに拡大できるのか。そこが注目点となる。

 いかがだろうか。確かにPS3でDVDを再生した場合は、元の動画のイメージを崩さずにハイビジョンテレビへ表示できている。実際、ほかにも様々なDVDを再生したが、どれも少ないノイズで破綻無くハイビジョンテレビに表示できた。例えは実写で人の顔や目の輪郭がモザイク状にならず表示できたり、アニメの描線もきれいに表示できる。これなら、これまで購入したDVDやレンタルDVDも気持ちよく見られるというものだ。

 最近のエコポイントでとりあえずハイビジョンテレビを買ってみたが、Blu-ray機器は持ってないしDVD見ても汚いし……と感じていた人とって、PS3はかなりコストパフォーマンスの高い機器といえるだろう。ハイビジョンテレビを購入し追加された量販店のポイントで購入するのもいいのではないだろうか。


ネットワーク接続でPS3を使いこなそう

 PS3のネットワーク接続機能だが、これは必須と考えて良い。なぜなら、ネットワークへ接続しないことにはPS3の新機能を使えないどころか、ネットゲームやダウンロードコンテンツ、ゲームの不具合修正、Blu-rayビデオとの連動コンテンツなど様々な機能を利用できないからだ。購入したら必ずネットワークに接続しておこう。

 PS3のネットワーク接続方法はWi-Fiと有線LANの2通りあるが、Wi-Fiで接続するとPSPとの連動機能が使えなくなるほか、DLNAでHDDレコーダーやPCの動画を快適に再生できなくなる場合がある。できれば有線LANで接続したい。

 ちなみに、薄型PS3も購入時点ではシステムソフトウェアが古いため、これまで紹介してきた機能のうち、そのままでは動作しないものもある。PS3を購入したら、まずはネットワークに接続し、システムソフトウェアのアップデートを行ってしまおう。

 PS3の各種機能を楽しむには、PlaystationNetwarkのアカウント登録も必要だ。登録することで、ネットワーク上でゲームを購入したり通信対戦を行える。すでにPSP向けに作っている人なら、同じアカウントでログインすればいい。アカウントを持っていないなら、PS3かPCのサイトどちらからで作成しよう。PS3にUSBキーボードを挿せるならPS3からでも楽にアカウント作成を行えるが、そうでないならPCでアカウントを作成した後、PS3でログインすることをお勧めする。

 PS3で利用できるネットワークサービスは他にも多くあるのだが、ここでは主要なものを紹介しておこう。

 まず、フルブラウザーによるWebサイト閲覧を利用できる。フルハイビジョンテレビに接続しているなら解像力はそこそこあるので、PCと同じ感覚で利用可能だ。処理速度もなかなか速い。家電機器向けのフルブラウザーとしては珍しく、YouTubeだけでなくニコニコ動画も快適に利用できる。

 DLNAに対応した自宅内メディアサーバーや、HDDレコーダー内の動画や音楽再生も可能だ。9月1日に公開された新システムソフトより DTCP-IPに対応しており、録画した地上デジタル放送をPS3上で再生することも可能となった。DLNAサーバーとクライアントの接続はまだかなり問題が多いものの、今回の新システムソフトウェアでPS3DLNAクライアントとしての価値が高まったことで、今後PS3対応を検証したDLNAサーバーが増えることを期待したい。

 このほか、3D空間でユーザー同士のコミュニケーションを行える「Home」や「まいにちいっしょ」といったダウンロード専用コンテンツなども楽しめる。PS3を使いこなしたいならネットワーク環境もちゃんと構築しておこう。


これから注目のゲームタイトルは?

 最後にPS3のゲーム環境についてだ。

 これまでもPS3には「メタルギアソリッド4」など大作を中心としたゲームが投入されてきた。今回の値下げにより、これまで遊びたいがなかなか手を出せなかったユーザーも、最新作を気軽に遊べるにようになったのは嬉しいところ。

 また、PS3も登場から3年、この間に発売されたタイトルのいくつかはBest! 版となり、手ごろな価格で入手しやすくなっている。そういったタイトルを遊び尽くすのもまた1つの手だろう。

 注意点を挙げておくと、現在発売されているPS3には初期に搭載されていたPS2の互換機能は搭載されていない。PS3を買ったからといって、まだPS2は手放さない方が良いだろう。現時点でカジュアルゲームPSPPS2での発売が中心となっているが、今回のPS3値下げを機により幅広いタイトルをPS3で遊べるよう各メーカーには期待したい。

 そこで今後PS3向けに投入されるゲームをいち早く確認できる東京ゲームショウ2009だが、今年はどのようなタイトルが展示、発表されるのだろうか。

 現時点では「FINAL FANTASY XIII」や「FINAL FANTASY XIV」、「グランツーリスモ5」、「ロストプラネット 2」「WORLD SOCCER Winning Eleven 2010」「NINJA GAIDEN Σ2」「スターオーシャン4」などさまざまなタイトルの展示が発表されている。中には会期中に発表されるものもあるだろう。「東京ゲームショウ2009」に関する最新情報は、このサイトで随時掲載していくので明日の開幕、そして26日、27日の一般公開日を楽しみに待っていただきたい。


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