「モンハン持ち」でも快適な、デキるハンターの必須アイテム「クラシックコントローラPro」レビュー

クラシックコントローラ PRO(クロ)

クラシックコントローラ PRO(クロ)

モンスターハンター3(トライ)」発売に合わせ、去る8月1日に任天堂よりリリースされた「クラシックコントローラPro」。任天堂純正アクセサリでありながら、開発には社外の人間であるはずの「モンハン3」スタッフも深く関わっているなど、ひさびさに「任天堂の本気」を見せつけられた本製品ですが、果たして完成品のデキはどうだったのでしょうか? 実際に「モンハン3」で遊んでみて気付いたことなどをまとめてみました。


よりホールド感が格段にアップしていること、そしてデュアルショックで言えばL2・R2に相当する、ZL・ZRボタンの配置が変わっていることなどがまず目に付きます。クラコンではZL・ZRがLRボタンと横並びになっており、意識して指を伸ばさないと届かない位置にありましたが、クラコンProではこれが縦並びになり(要するにデュアルショックと同じ配置)、さらに使いやすさがアップ。またLRボタンもアナログからデジタルに変わり、奥までぐっと押し込まなくても、より少ない力で反応してくれるようになっています。


 十字ボタンを含む前面のボタン類は、見た目にはこれといった変更点はありませんが、押し心地が大きく変わりました。押し比べてみると、従来のクラコンよりも格段に「軽く」なっており、長時間使い続けても疲れにくくなっている印象があります。特に十字ボタンについては、デュアルショックPSPのものと比べてもかなり敏感に反応してくれるため、左手人差し指で十字ボタンを操作する、いわゆる「モンハン持ち」がぐっと楽になりました。コントローラが変わっても、PSP版で培った技術をそのまま活かせるのは嬉しいところです。


 以上がクラコンとの主な相違点。こうして見るとスペック面での違いはLRボタンがデジタル式になったことくらいで、あとはマイナーチェンジのように思えるかもしれませんが、実際にゲームをプレイしてみると、従来のクラコンとは段違いのフィット感にきっと驚かされるはず。


 特に大きいのはやはりグリップの存在で、「モンハン3」のようにアナログスティックを多用するゲームでは、グリップの有無が操作性に与える影響は大きく、がっちりホールドできるクラコンProの方が、細かな方向調整などをより安定して行えるように感じました。またカメラの位置調整やダッシュ、アイテム選択、特殊アクションなど何かと利用機会が多いLRボタンのデジタル化も好感触。アナログだったものをデジタルに戻すというのはかなり思い切った決断ですが、その甲斐は十分にあったと言えるのではないでしょうか。


 ちなみに今回、コントローラの変更に伴い3種類の操作形態が用意されている「モンハン3」ですが、個人的にはこの「クラコンPro」+「クラシック操作1(ボタンで攻撃を行うタイプ)」がもっともしっくり来る組み合わせなのではと感じました。


 もちろんクラコンProのよさも大きな理由のひとつですが、何より「クラシック操作1」だと空いている右スティックにカメラ操作が自動的に割り当てられるのが便利。これまでのシリーズでは基本的に、方向キーがカメラ操作、左アナログスティックがプレイヤーの操作に割り当てられていたため、上記「モンハン持ち」を習得しないかぎり、プレイヤーの操作とカメラの操作を同時に行うことができませんでした(PS2版では右スティックが攻撃に割り当てられており、PSP版ではそもそも右アナログパッドがなかった)。ところが、この組み合わせだと左手でプレイヤーの操作、右手でカメラの操作という、3D ゲームでは当たり前の操作を当たり前に行うことが可能。右スティックの追加でこんなにも操作が快適になるのかと、いまさらながらに驚かされました。特に新しく導入された「水中」での操作に苦戦している人はぜひ一度お試しください。


 今回、カラーバリエーションに新しくクロが追加されたこともあり、発売前から「デュアルショックそっくり」と話題を集めたクラコンProでしたが、ZL・ZRボタンの配置変更もあり、確かに握ってみた感触は「デュアルショックそっくり」。しかし十字キーの軽さや、アナログスティックの感触など細かな点で「クラコンPro」はより「モンハン」にフィットするよう進化している印象。特に「クラシック操作1」との組み合わせは、歴代「モンハン」シリーズでも最強と言えるのではないでしょうか。通常版と「クラシックコントローラPROパック版」の価格差は1150円ですが、それだけの価値は十分にあるのではと感じました。